品質・環境マネジメントシステム

  

仁張工作所では、品質マネジメントシステム=QMS(Quality Management System)ならびに環境マネジメントシステム=EMS(Environment Management System)の推進及び製品品質の保証を目指して「ISO9001:2008のツールを使いこなすためにどの様に取り組んでいくのか」について、深耕しています。
そして『品質が良くなれば環境も良くなる』を目標として掲げ、その達成に向けて全社的に取り組んでいます。

品質マニュアル8章にこだわる

QMSの究極は経営改善に役立っているかどうかであり、計画したプロセスが有効且つ効果がでないとその意味がありません。そのため、当社では8章の監視測定からのデータを基に改善及び予防活動を追求しています。

検査で品質は作れない

製品品質は“作り込み”で決まり、不具合が発生すれば、真因を追求し作り込みの仕組み改善を徹底して行うことこそが品質向上に結びつくと考えています。発生した品質不具合は“5M管理”と“5現主義”をキーワードに、何故何故を繰り返すことによって不具合原因の根っこを閉ざすよう取り組んでいます。また、品質データは“SQC(Statistical Quality Control統計的品質管理)”を活用し、分析した結果を各製造現場にフィードバックすることで、更なる品質向上に生かしています。

当社における品質維持の取り組み

以下は、当社において実際に品質維持をしていくために必要と考える基本的な考え方・手法・道具です。今後は社員全員の品質感度を高め、品質維持をしていくことに努力していくことを目標としていきます。

品質管理の基本

「製造現場だけでなく、全ての仕事に品質はある。」をモットーに取り組むようにしています。改善の基本は PDCAサイクルの運用維持です。そのためには
1)データを活かす
2)QC7つ道具を使う
3)5M変化を見る
4)5現主義で見る
5)プロセスを考える
6)妥当性の確認を行う
7)セルフチェックを行う などの取り組みが必要と考えます。

1) データを活かす

計画で大切なことは過去の状態を整理すること。
そのためには、仕事をした結果は数値化しておく。
活用できない(使えない)データは取るだけムダ。
“不具合の出方”“5M変化”“継続性か一過性か”“数値の変化”等はいずれもデータから読み取れる。

2) QC7つ道具を使う

チェックシート

各工程で使用。不具合流出防止のポイントを中心に確認・記録。証拠としてトレーサビリティにも有効であり、後のデータ管理の有効手段にもなる。 『例:ユニット機器チェックシート(溶接組立工程)・(塗装仕上工程)』

パレート図

改善にあたり、効果の大きいものから着手すべく、不具合事項を現象別・原因別に分類したデータで、主に棒グラフで表現される。
『例:2011年原因別クレーム状況(2006年対比)』

特性要因図

不具合の特性と要因の関係を表すのに使われる図。魚の骨のような形になる。グループで意見を出し合うのに適している。 『例:曲げ(ベンダー)不良発生原因の特性要因図』

ヒストグラム

データが多数あるときに、データの分布状況を見やすく判断しやすくするために用いられる棒グラフ。

グラフ

情報を視覚化したもの。

管理図

今後も工程が良い状態を維持できるかを表現。折れ線グラフ等が多い。

散布図

2種類のデータの相互関係を図式化したもの。XY軸に点で特性を見る。

3) 5M変化をみる

不具合を発生させてしまった場合、5M(Man・Machine・Method・Material・Measurement)の変化によるものでないかを確認する必要があります。

  • 人・・・「休んだため人が変わった」「新人が担当、初めてした」
  • 機械・・・「使用する設備・機械・治工具が変わった」
  • 方法・・・「作業方法を変えた」「作業方法を標準化していない」
  • 材料・・・「材質が変わった」「仕入業者が変わった」「前工程が変わった」
  • 検査・測定・・・「検査方法を変えた」「合否判定基準が不明瞭」「検査者のスキル不足」

従って、上記のような不具合発生条件を取り除くためには

  • これらの5M変化をキッチリと捉えてるか
  • 作業者の力量を認識しているか
  • 変化に対応した準備ができているか
  • 変化時の品質確認がされているか

等の項目に注意しながら品質確認することが必要不可欠です。

4) 5現主義でみる

3現主義(現場・現物・現実)を認識し、実際に観察したうえで、原理・原則にしたがってアクションを起こすこと。客先不良返却時には最優先で関係メンバーで見るようにしています。

  • 現物・・・現物はどうなっているのか。先ず現物を確認すること。
  • 現場・・・対象製品の現場はどのような状態であるか。
  • 現実・・・現在どのようにしているか。
  • 原理・・・考えられる根本的な理論。多くの物事に適用できる普遍的事項。
  • 原則・・・基本的なルール。多くの物事に適用できる規則。

5) プロセスを考える

ISO9001の考え方と進め方、今後特に必要とされるのが
プロセスアプローチ

「(インプット)入ってきた物・情報を元に、どのような手段で、どのような手を加えて(アウトプット)何を提供するか。」・・・準備・作戦の重要性を意識して取り組んでいます。品質確認がされていること(8.2.4)板金加工生地製品品質情報(5.5.3/8.4)

  • 客先/場内不具合
  • 品質不良分析製品情報(5.5.3)
  • 製作検討会記録

塗装吹付け作業リソースアウトプットインプットプロセス製作指示書類(7.3)コントロール
例:塗装工程のインプット・コントロール・リソース・アウトプット

6) 品質担保の手段として『妥当性の確認』を行う

溶接作業や半田付け、塗装の密着性など、例えば強度面の保証をするためには、その担保のために“妥当性の確認”を行います。例えば溶接設備の場合には、設備機器の点検はもちろん、電流値等を一定値にパラメータ設定をすることで、必要とされる溶接強度を保証します。 それら特殊な工程においては、一定のスキルを有した作業者が作業をすることも大切です。

溶接の妥当性確認

半田付けの妥当性確認

7) セルフチェックを行う

  • 仕事の計画時に自己チェックを行うこと
  • (すべての仕事において)次工程にリリース前に確認作業をいれること。

以上のような取り組みを確実に行うことで、品質レベルの維持改善に繋げられると考えます。

内部監査の重視

1) 個別から統合へ

『品質がよくなれば環境もよくなる』そのため内部監査は環境+品質を統合した形で監査することが成功のコツと考え、2005年度以降継続実施しています。環境から品質を、品質から環境をクロスして見ることにより個別では見えなかった課題点が明確に抽出されます。また個別方式では計画から実施及び改善フォローが別々になり、人的にも時間的にもロスが生じます。そのためには推進事務局は一つでなければなりません。一方、内部監査員も環境と品質の両面から他部署の良さ・悪さを知り、自部署への継続的な改善活動に、監査時だけでなく日常活動の中でその役割を果たすことに結びつきます。

2) 監査の成果は監査員のスキルが左右

統合監査のためには環境も品質も監査できる人が必要となります。当社では2012年4月現在23名を社内資格認定しています。これにより監査側と被監査側が同じ目線で課題を健在化させ、適切な改善の実施が可能になりました。
当社の内部監査員養成の手段は、当初審査機関が実施するセミナー受講者を資格認定していましたが、2003年度から、主任審査員を招いて社内で養成コースを実施しています。

このメリットは当社の事業内容及び、EMS/QMSと推進状況を事前に講師と事務局が打ち合わせることで、当社にマッチした教育訓練を行うことができます。デメリットとしては、他社のコース受講者との情報交換ができない点がありますが、経験豊富な講師 により、世間の動向や推進状況を聞くことなどでカバーしています。

内部監査員資格認定は、養成コース修了者を実際の内部監査に参加させて実践訓練し、スキルが身についたと管理責任者が判断したことで認定しています。このように目的意識をしっかりと持つことが大事です。

3) 内部監査プロセス

監査は、
1)年間の計画作成  2)実施2ヶ月前に監査計画立案  3)内部監査委員会で審議決定  4)被監査部門への通知  5)監査メンバー編成と事前研修  6)監査チェックシート作成と管理責任者承認  7)実施  8)監査報告作成と管理責任者による確認と指導  9)監査終了全体会議  10)改善指示  11)改善実施  12)是正完了確認  13)是正効果確認

と13のプロセスをきっちり進めることで成果が得られます。監査は大きく分けて、EMS/QMS実行状況の確認及び改善課題抽出をマネジメントへのインプットの目的、日常改善の目的、第三者による審査対応、の三つに狙いを絞って計画しています。このように監査の目的を明確にすることで、監査の有効性を維持し、効率的に課題点を顕在化させています。内部監査で顕在化した課題は、被監査部門と監査チームリーダーが不具合の原因、改善方法、実行について相談しながら改善を進め、最終確認は管理責任者でもある品質保証部長が確認しています。

4) 監査後が大切

監査で健在化された課題の改善を、効果的に経済的に実施され、かつ継続されなければなりません。そのため監査員、特にチームリーダーは被監査部門へのよき支援・助言者として役割を果たしています。このPDCAを全体的立場から支援指導することが、推進事務局である品質保証部の役割です。

これからの事業展開における品質最重視の考え方

第5次中期経営計画(2012-2014年)では、「社内外の資源を有効に活用し、地域に必要とされる企業として自他ともに認められる会社となって、創立50年を迎えよう」をスローガンに掲げています。これまでの当社では、「品質が良くなれば、コストも下がる、納期も守れる、そして環境負荷も減らすことができる」に軸足を置いて、製品品質(Q)を起点に、コスト(C)削減、納期(D)遵守、環境(E)配慮、その結果としてお客様からの多くの信頼を頂いてきました。

これからはこの理念をさらに拡大し、製品品質(モノ)のみならず、これを支える人材品質(ヒト)や財務品質(カネ)の向上にも軸足を並べ、これらの総合的かつ複合的な品質供給体制のもと、積極的に協力業者様(供給者様)との連携に取り組むことで、より多くのお客様からの信頼を得ていきたい、と考えます。外部(社外)と内部(社内)を繋ぐ経営のHUBは、どこまでいっても製品品質であることに違いはありません。そのため、製品品質重視のものづくりを進め、製品品質を改善するプロセスにおいて、そして目標を達成させるツールとして人材品質や財務品質を高め、地域企業とのネットワークを持つHUB的役割が果たせる企業を目指してまいります。