板金加工について

  

金属素材が加工できるのは

金属の素材は、顕微鏡で見ると結晶粒と呼ばれる粒の集まりであり、その構成は原子が結びついてできたものの集まりです。この集まりの結合力を超える力を加えることで、規則正しく並んだ原子の位置・配列に変化が生じますが、その現象を利用したのが"金属加工"です。
金属加工の中で、固体状態の金属を強い力で目的の形状に変化させるのが、"板金"や"鋳造"などの"塑性加工法"です。また、固体状態の金属に熱を与えて加熱すると、原子同士の結合力が弱くなり、原子が動き回るようになり液体化していきますが、その流動性を利用したのが"鋳造"です。また、二つの材料を部分的に溶かして、凝固させ接合させるのが"溶接"です。

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金属素材ごとの加工のし易さの違い

金属の成り立ちの基本は"結晶格子"であり、それは材料毎に異なるので、加工のし易さも、結晶格子の成り立ちで決まります。
(1) 面心立法材料・・・8個の原子が立方体となるよう配置され、かつ立方体の各面の中心にも原子が配置されている。いわゆるマッチ箱構造で、力が加わると変形しやすく、箔の状態まで加工ができる。"アルミ(Al)・銀(Ag)・銅(Cu)・金(Au)"など。
(2) 体心立法材料・・・8個の原子で構成される立方体に、面ではなくその重心位置に原子がおさまってる素材。結晶格子の重心に原子が"すじがい"の状態で入っており、変形が難しい。"鉄(Fe)"に代表される。(但し、加熱されると面心立法に変化、加工しやすくなる)
(3) 正方格子材料・・・体心立法ではあるが、原子が密に集まっていないので、加工は面心・体心の中間になる。食器等にも加工される"すず(Sn)"に代表される。
(4) ちゅう密六法格子・・・六法体を形成する原子配列で、形状の制約から、常温では極めて成形が難しい。"マグネシウム(Mg)"に代表されるように、加工方法は鋳造がそのほとんどを占める。

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板金加工の原理

・金属材料に力を加えると、材料は原子配列が変化し、それによって変形が生じます。戻そうとする内力をこえると、(元に戻れる範囲の)弾性変形に加えて、(戻れない)塑性変形が生じるため変形する量が加速します。
・板金加工では、必要な変形が得られるまで、耐力を超えた大きめの力をかけますが、一方で変形が進みすぎることからくる破断を逃れるため、"金型"を用い、必要以上の変形が進まないように加工を行います。こうした加工段階での余分な荷重は、材料に応力を発生させ、その応力を加工材内部に取り込んでしまうことで、精度の素材変形が得られます。

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金属材料の違いと溶接

・板金加工のし易さの程度は、材料自体の構成(結晶格子)で決まります。
・また最近の各種金属材料は合金元素を微量調整しながら含ませることで、成型加工性や溶接組立のやり易さに違いを生じさせています。例えば、鉄に炭素を含んだ"鋼"や、更に元素を添加した"合金鋼"では炭素の量が多くなるに従い材料は硬く強くなっていき、伸びが少なく板金加工が難しくなっていきます。またそれら炭素量の多い鋼を高温加熱→冷却させる"焼入れ処理"をすると、硬度・耐性は高められますが溶接部の性能低下をまねきます。
また材料強度の小さいアルミニウムでは、加工硬化を求めたり、合金元素の添加で必要強度を得たりしていますが、それでも棒や板といった形状によって加工性が異なってきます。
このように、板金加工においては、材料によって加工や溶接の際に生じる材質変化は多種多様で、各々の特性に合った加工法や溶接法、溶接材料の選択が必要となります。

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板金加工における接合技術

・板金加工における接合技術は、加工した部材を組み合わせ、製品化する上で重要です。ものづくりにおいて、いろいろな接合技術を理解し、最適な方法を選択し有効利用することが必要不可欠です。組み立てのための接合方法には、大きく以下の3つの方法があります。
(1)機械的接合法・・・ボルトやリベットを利用して接合する方法 
(2)冶金的接合法・・・溶接やはんだ付けなど金属材料の持つ特性を利用して接合する方法
(3)接着剤接合法・・・各種接着剤を利用して接合する方法 但し、各々の接合法には、特有の利点・欠点を併せ持っています。これらの接合方法を製品組み立てに使用する場合、
1)製品に要求されている品質が得られること
2)接合によって発生する問題点が許容をこえないこと 
の2点が満足できるような方法や条件を選択することが必要です。逆に言えば、それら2点を満たせばよいのであって、例えば必要性を大幅に超えて強固な溶接をすることは、場合によってはオーバースペックとなることもあります。従って、場合によっては二つ以上の接合方法を組み合わせて使用し、各々の利点と欠点とを補うような方法も有効です。

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~具体的事例~
ここでは、簡単な事例(サイコロ製作)を以て、板金加工の具体的な進め方、接合方法等について説明します。
板金設計→加工
1)CADにて設計を行います。(材質、寸法、板厚、モデリング、展開方法・・・)

2)CAMにてプログラミング、加工機への割り付け等を検討します。
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3)接合方法については、次の2種類を検討しました。
  <1>溶接による接合(冶金的接合)
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  <2>リベット止め(機械的接合方法)
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